特別な時間が流れる場所−その2

ではでは本題へ
井上孝治写真館は、ご年配のご夫婦お二人で営まれております、土日だけ開館される写真館です。井上孝治さんはご主人のお父様だそうです。

建物の設計者は柿沼守利さん

もともとはご夫婦の別荘として設計されたのですが、ご夫婦からの要望により、設計途中でお父様の作品を展示するスペースが設けられたそうです。

建物は斜面に建っており、中2階部分が接道しています。

まずは、中2階の玄関から入らず、外階段を下って1階の作品展示スペースへ。

  
早速、最近しまいっぱなしの一眼を持って来ればよかったと後悔。

見渡す限り開けた景色と、程よい暗さの室内が濃密な陰から陽のグラデーションをつくっています。

ああ、スマホではとても手に負えないっ

空が雲に覆われていたせいか、この日の海の色は、日本の名前が似合うような(残念ながら私の語彙にはないですが)美しさでした。

正直、建築目当てで来た私たちでしたが、井上孝治さんの写真にも感動でした。

残念ながら写真に関する語彙も乏しい私ですが、たくさんの人が予約をしてまでこんな街から離れた場所まで足を運ぶ理由は分かりました。

鑑賞の後は、外階段でまた中2階のエントランスに戻り、改めて玄関からご夫婦の居住スペースへお邪魔します。

来場者は、なんとそこで、奥様の美味しいおやつとお茶がいただけるという情報は既にゲット済み!

なのですが、おやつにお目にかかる前に、玄関扉をあけて思わず声をあげてしまいました。

なんと素敵な玄関でしょう。

からの、なんと素敵なリビングダイニング!

さぁ、ここから想像してください。私の拙い実況で。

玄関扉を開くと、最小限の明かりだけがつけられた天井の低い玄関。

床や天井に使われている木が香ってきそうなツヤを放っています。

ほんの3畳ほどの空間に、下駄箱と下りの階段だけが据えられていて、階段を見下ろした先に見える明るさが、自然と私たちの足を階下に導いてくれます。

ゆるい階段を下っていくにつれて、少しづつ明るさの中に吸い込まれていき、リビングに降りた頃には、大きな窓の外、さらにその遠く先に玄界灘の水平線が広がっているのです。

どうです?少しは伝わりましたですか?

  
後で奥様に聞いたのですが、展示室からリビングは室内の階段でもつながっているのですが、あえて玄関からリビングに降りてきてもらうのは、この体験をみなさんにしてもらいたいからだそうです。

そんなことを考える人をご主人に持って、この建物は幸せだなぁ。

とても気さくなご夫婦にたくさんの興味深い話をお聞きして、気づいたらここへ来てから2時間半くらい経っていました。

お話の中で終始感じたことは、ここの建物が、なんて愛情深く作られ、愛情深く使われているのだろうということです。

その愛情は、確かにこの建物を見ていれば偽りないことがよくわかります。どこにも手を抜かれていない。

ご夫婦のお話を聞きながら、

人生考えさせられます

と何度も繰り返す平島さん

人生も、仕事に対する心構えも、いろいろなことを考えなおさせてくれる素敵な建物と、景色と、オーナーご夫婦でした。

こんな豊かな空間を提供できるような建築を設計しなくてはいけないのです。設計という仕事は。

久しぶりに建築の世界に惚れ直した時間でした。

いつかまた、開館される日を楽しみに。

石川
  

 

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