今回のお宅は50代のご夫婦がお二人で住まわれる住宅です。
仕上げは落ち着いたシックな色味となっています。
フローリングはこちら
ブラックウォールナットの複合フローリングです。
無垢材ではありませんが、断面を見ると、一番上のブラックウォールナットの層が2㎜程あります。
2㎜というとすごく薄い感じがしますが、マンションなどでよく使われているフローリングは、表面が木ではなくシートのものが多く0.数mmという世界。
表面が木だったとしても、1mm薄さのに満たない厚みのものが多いのです。
時間が経って表面がペラペラ剥がれている床を見たことがありますよね。あれです。
紙のような薄さの表面のものが多いことを考えると、2㎜ってかなり厚いですよね。
一足先に竣工写真をお見せすると。
工事前の床が、

こうなりました。
床以外の木部は、床とは樹種が違いますが、床の色に合わせて着色しました。
この着色というのがとても難しいので、毎回綿密な打ち合わせをします。
左のフローリングのサンプルに合わせて、いくつも色味、塗り方を変えた塗りサンプルを作っていただきました。
樹種が違うため、木目が違うことで色の見え方が違ったり、塗料の吸い込みが木の部分によって変わるために、場所によっては薄すぎたり濃すぎたりが出てきます。
なので、最後は数値的な色を合わせるというよりも、全体的な雰囲気を合わせるという感覚的な作業になってきます。


特にムラになって汚く見えるのが怖いのですが、さすがプロの塗装屋さん。
私たちのしつこい要望とどうにも言葉にできない感覚をくみ取っていただいて、素晴らしい仕上がりになりました。
手触りすべすべです。
右の写真が少し光って見えるのは、キッチンのカウンターなので、水はじきを良くするためにウレタンを最後に塗っています。
場所によって、適材適所で樹種や塗料を変えつつ、それが違和感にならないように全体の調子を整えていくのは、図面では表せない現場での作業です。
その他に工夫したことと言えば、エアコンの配管。
コンクリートの壁の場合、エアコンの穴を移動するのはとて大変でお金のかかる作業。
もとのエアコンの配管を通す穴は、左の写真のようにだいぶ下にありました。このままだと、新しくエアコンを設置しても、前と同じようにエアコンから下に配管が見えてしまいます。
右の写真は施工後ですが、配管、見えてないですよね。
その秘密はこちら。
壁を厚くして空間を作り、その空間の中で配管を下に下ろしています。
四角穴の部分は取り外せるようにしているので、メンテナンスも問題なし。

もちろん、エアコンの配管を隠したいためだけに壁を厚くして部屋を狭くするようなことはしません。
この壁の厚みは、①断熱材を入れる ②カーテンボックスになっている ③間接照明を隠している ④ニッチ型の棚に利用している
という合計5つのことに利用しています。
さてさてそれでは、次回は完成写真のお披露目です!
Life&Work(ライフアンドワーク)