カテゴリー別アーカイブ: Work – 建築のお仕事の話

Work-O邸マンションリノベーション1 〜オリエンタルリゾート〜

こんにちは、Life&Workの石川です。

お盆も過ぎて少し涼しくなってきましたね。

今日は、現在進んでいるリフォームのお話しです。

その前に、最近ちょっと高級なホテルに泊まる機会がありまして。

神戸の その名も オリエンタルホテルです。

140年の歴史がある日本最古のホテルだそうです。

その名の通り、オリエンタルな雰囲気が隅々から漂ってくる館内。

はて、オリエンタルってなんとなくで使っているけど正確にはどういう意味だっけと思いまして調べてみますと

オリエンタル=東洋的な

とのこと。

いや、私達がオリエンタルを想像するとき、明らかにもっと別の意味を含んでいるはず。

エキゾチックな感じというか、ラグジュアリーな雰囲気というか。(という、表現自体もなんだかほわっとしていますが)

お金を払ってホテルに泊まった私ですが、かわりに空間体験という素敵な財産を得ることができました。

そんな、一見 娯楽の様な経験もその一つ一つが建築の仕事の肥やしになっていくわけです。

が、こんなに直ぐに出番がやってくるとは。

ということで、今やらせてもらっている住宅の改装のお仕事。

図面上にお施主さんのご要望やアイデアを書き込んで行きます。

img_9917.jpg

プランも決まり、現在 概算見積り中なのですが、今回の改装のテーマは、そう「オリエンタル」

お施主さんと打ち合わせさせていただいた私達は、ご要望やお施主さんの雰囲気から、

アジアンリゾートの様な、上質な空間を思わせる部屋

をイメージしました。

限られた予算の中でどこまで高級感を出せるか。

すでに頭を悩ませる問題もありますが、これから楽しみです。

Life&Work(ライフアンドワーク)

http://www.uni-uni.net

Work-新築がいい?中古がいい?その2

こんにちは、Life&Workの石川です。

今回のお話は、新築がいいか中古がいいかの第2弾です。

先日またその問題に直面しまして。

 

その前に、最近見せていただいた先輩の作品の感想を少し。

いつもお世話になっているMさん設計の美容院です。

IMG_9566 (2).JPG

私はMさんの作品が大好きなのですが、どこが素敵かと言いますと、

まずは男性の設計とは思えない細部の可愛らしさ。

そしてこだわりと割り切りの心地よいバランス。

建築というのはなかなか難しいもので。作る方もそれはそれは真剣な思いでつくっているので、時には設計者のエゴ?と言われそうな場面も出てくるわけです。

もちろん、設計者としてはそうする方が良いという思いがあるわけですが、そのことでお金が余計にかかってしまったり、お施主さんと意見が食い違ったりすることもあるわけで。

どこまでをこだわり、どこから経済的に割り切ってすすめるかというのもそれぞれの設計者の個性だと思います。

昔、大学を卒業して事務所に勤めはじめの頃、勤め先の所長に言われたことを思い出します。

私が考えたプランを所長に提案していた時のことです。

私がその説明の中で、「こうしたいと思ったんです」という言い方をしました。

するとすかさずこう言われました。

「あなたがしたいことを提案するんじゃない。こうした方がいいと思うことを提案しなさい。」

それ以来、折に触れて自問するようになりました。

今このこだわりはどちらなのか?

「こうしたい」と思っているだけなのか。

「こうする方がいい」と言えるのか。

作り手としての思いが強くなればなるほど、自分でも分からなくなる時があります。

そんな肩に力が入った時に、Mさんの建物をみるとなんだか安心するのです。

IMG_9551 (2).JPG

 

前置きはこのくらいで。

本題に入りたいと思います。

最近出くわした、新築がいいか、中古がいいかという問題について。

少し前に、幼稚園の設計についてのご相談をいただきました。


物件を決めかねているということでしたので、私たちは早速、お施主さんと候補の物件を2つ見に行ったわけです。

ひとつは、新築マンションの一階のテナントスペース。

もうひとつは、築30年ほどの中古の2階建て住宅(みたいなつくり)。

市の認可と補助金の申請のスケジュールがあるため時間もないという状況の中で、明らかにテナントの物件の方が有利でした。

しかし、お施主さんには、

子供たちのことを思うと2階建ての物件の方でいきたい

という強い思いがありました。

とはいえ、内容を見ただけで、2階建ての方はかなりハードルが高い。。。

が、可能性を見つけるべく、私たちは実際にどんな問題があるのか、そしてそれを一つ一つ解決する方法を調べていきました。

今回は保育園への改築という事で、

①既存の建物が使えるようにする

②新規の用途(特殊な用途)に必要な条件をクリアする

というのが大きな課題です。

①がクリア出来なければ、②に進む事は出来ません。

ですが、今回の物件は、築30年。

建物を建てる時の許可(確認申請)は申請しているようでしたが、建物が完成した後の検査(完了検査)が行われていないものでした。

こういう建物は、昔はよくあるのですが、改築できるように整備するのに手間とお金がかかる場合があります。

完成した後の検査を受けていないという事は、正しく施行されてない可能性が高いからです。

こちら、役所に行ってもらってきた資料たち


改築に入る前に踏まないといけない手続きだけでも物件によって大きく異なります。

現在のマイナスの状態をスタートラインのゼロまで整えてあげる作業です。

今回の場合、現状の建物の問題点は、

・許可なく増築されていた

・窓が、必要な性能を満たしていなかった

という事に加え、構造的な不安もあるということで、建物を使えるようにするだけで結構なお金がかかる事がわかりました。

まだ、ここを借りると決める前にご相談いただいた事は幸いで、

こんなに大変なんだったら、他を探してみる事にします。

という事になりました。

もう一軒、検討していた新築のテナントの方は、建築的には全く問題なかったのですが、家賃の問題でそちらも断念されたそうです 。

振り出しに戻ってしまった感じにはなってしまいましたが、マイナスからスタートすることは免れたので、意味のある作業だったと思います。
今回の事に限らず、建物を借りる、事業を始める  となるとどうしても大きな買い物になってしまうのでお施主さんは不安な事だらけだと思います。

それでも、保育園の足りない今の状況を少しでも改善したい、子どもたちやお母さんたちのためになれば、と決意されたお施主さんの手助けになれたら、私たちも建築に関わっている意味をもらえる気がします。

頑張る人たちのために頑張れる仕事をやっていきたいなぁと思う日々でした。
Life&Work(ライフアンドワーク)

http://www.uni-uni.net

https://www.facebook.com/LifeandWork1/

work-新築がいい?中古がいい?in福津

こんにちは!Life&Workの石川です。

先日、新規の打ち合わせのついでもあって、宮地嶽神社へ厄祓いに行って参りました。

私たち、同い年の女子ユニットということで、当然厄年になるタイミングも一緒なわけです。

行った日がたまたま節分だったので、図らずも 豆まき厄祓い に参加できまして、貴重な経験ができたのでした。


この大衆へ向けて くじ付き豆 を投げるわけです。

事務所員時代にやった餅まきを思い出しました。

さて、今回お話を伺った方は、

自分の家を持つってどんな方法があるの?

というところからのご相談でした。

新築?

中古?

どこに頼むのがいい?

土地はどうやって探す?

などなど

結婚して、子どもができて、この先ずっと家賃を払い続けるのは勿体無いのでは

という時期にさしかかると、みなさんいろんな選択肢に迫られるようです。

今回のお話の中で、

・予算を出来るだけ抑えたいのだけど、新築と中古はどちらがいいか?

・新築の場合、設計をどこに頼むのがいいか?

というようなご質問がありました。

これに対して、個人的な考えを完結に言いますと。

予算を抑えたいという前提ですが

・間取りを扱わないなら中古。間取りにこだわりたいなら新築。

・部屋数、広さをこだわるならるならハウスメーカー。それ以外の付加価値(デザイン性、独自性など)をこだわるなら設計事務所。

ということになるのではないかなぁと思います。

もちろん、一概には言えないので、一つの考え方として聞いていただきたいのですが。

まず、中古の家を買って予算を抑えたいと思うなら、基本的にはあまり手を加えない(加えなくていい)という気で、そういう物件を購入することが大切だと思います。

改装には、最低限のメンテナンスなど想定外のお金がかかるものです。

間取りを変えたり、窓をつけたりするような手のかかる変更を、初めからあれもこれもという思いで中古物件を購入すると、新築とあまり変わらない金額がかったということになってしまいます。

もし、新築を建てるほどの溢れる理想があるなら、中古でそれを満たそうとするとたくさんの妥協が必須です。

また、設計をどこに頼むかについてですが、

ハウスメーカーは、お施主さんの要望を素直に具現化するのが得意です。

なので、

これだけの部屋数で、これだけの広さが欲しい

というハード面の要望が強い方にはハウスメーカーがオススメだと思います。

一方、設計事務所の多くは、ハード面の要望に加え、お施主さんのライフスタイルなどのソフト面も考慮した答えを出そうとします。

なので、

私は、ちゃんと部屋数があって、十分広ければそれでいいの。変わったことはしないで。

という方が設計事務所に頼むのは不幸な結果になるし、

私の意見ばっかりで、全然おもしろい提案をしてくれない。

という方がハウスメーカーに頼むのもまた然りです。

予算が少なく、それでも広さが欲しいという要望がある時、私たち設計者は、

広く感じる作り方をする。

という選択肢を取ることがあります。

スペースや設備を兼用する。

という提案をしたりもします。

それを魔法と思うかイカサマと思うかは設計者の腕とお施主さんの考え方次第というべきしょうか(笑

ともあれ、自分にあった選択が幸せなマイホームの第一歩だと思います。

余談ですが、月一ヨガ教室

今年も引き続き開催しております。

Life&Work(ライフアンドワーク)

http://www.uni-uni.net

Work-店舗改装打ち合わせinうきは

寒中お見舞い申し上げます。

Life&Workの石川です。

今回は、新規の打ち合わせでうきは市まで行ってきた時の話です。

うきは市の吉井町といえば伝統的建造物郡保存地区に指定されている白壁の町。

以前の事務所に勤めていたころ、この町で新築の住宅を建築するプロジェクトを担当しまして、あれから6年くらい経ったでしょうか。

懐かしいなぁという思いもありつつ、そのころにはなかった、あるいは知らなかった場所を打ち合わせ前にふらふらしてきました。

一箇所目は、平島チョイスのブック&カフェ。

2階建ての結構大きな建物の一部を改装しておしゃれな空間にコンバージョンしていました。

コンバージョンやリノベーションでよくやる操作といえば、

①床 壁 天井の仕上げを変える

②置き家具や照明器具を変える

ここまでなら、DIYでもでできるし、これだけでも結構雰囲気が変わりますね。

③間取りを変える(壁を取ったり付けたり)

④窓を取ったり付けたり

⑤天井板を抜いて天井高をとる

⑥棚や作り付け家具の設置

だいたい見た目の変化として出来ることはこのくらいでしょうか。(設備関係は別として)

この中で、「天井板を抜いて天井高をとる」がなかなかのくせ者だなぁと日頃から思う私です。

天井板を抜く というのは、天井高さを取るという面ではいいのですが、設備関係が現しになるというのは一長一短です。

配線や配管が見えてくるのをかっこいいととるか、見苦しいととるか。

今の感覚としては かっこいい とみられる傾向が強いようですね。

これはあくまで、余計な配線などはまとめられ、見せる設備 として整理されているからなのですが。

とはいえ、天井抜けばそれなりにやった感が出るよねー と、むやみにその手法を使うのはどうかなと思います。

本当にその場所にとって、良いのかどうかはよく吟味しなくては、ひとつ覚えなってしまいます。

今回行ったカフェ。

天井を張った方がいいか、ない方がいいか

どう思います?


カフェでごはんを食べてから、以前ある場所でお近づきになった、日月窯さんにお邪魔しました。

コケの蒸したいい雰囲気の階段です。


作品も素敵でしたが、2階のカフェから見える景色もなかなか。

今度来た時はここでおやつを食べたいです。

午後かは、本題の打ち合わせ場所へ。

純喫茶の改装のお話です。

若者が来るお店にしたいとのご相談だったのですが、今の常連さんとのアットホームな感じ、若い人に向けたメニュー開発のお話などなど、おもしろいお話がたくさん聞けて素敵なオーナーさんのお店だなぁと思いました。


ご馳走になったコーヒーとピザも美味しかったぁ。

人が集まる場所を作るって、住宅の時とはまた違ったわくわく感があります。
Life&Work(ライフアンドワーク)

http://www.uni-uni.net

Life-蘇るベラミ山荘

こんにちは。

Life&Workの石川です。

最近寒くて寒くて外に出るのが億劫になりますね。

それでも外に出ると、思いもかけない面白いことが起こるものです。

先週の日曜日、私たちの事務所の近く  高塔山のベラミ山荘にお邪魔した時の話です。

ベラミ山荘の歴史については以前ブログに書いたので割愛しますが、ベラミの中に入っているアメリカンアンティークのお店 ローリン さんとは、若松巡りマップを一緒に作ったりとちょくちょく交流が続いておりまして。

今回もローリンさんを訪ねてきたのです。

が、

こうで、

こうです。

ひと昔前、キャバレーのお姉さん方の寮として使われていたベラミ山荘。

当時の荷物もたくさんそのまま残されておりまして。それをそろそろ本格的に片付け始めたようです。

この日は、残されていた食器を引き取ってもらうための梱包作業の日だったらしく、オーナーさんもいらっしゃってました。

私たちもつられてお手伝い。

素敵なヒストリーと佇まいをもつこの建物は、以前から改修の提案がいろいろとされてきましたが、規模も大きいためになかなか実現に至らず。

オーナーさんもどこから手をつけたらいいかとお悩みの様子で、食器を梱包しながら相談されたのでした。

ということで、改めて建物内を見せていただきました。

こちらは、庭に面した共用のラウンジのような部屋。

趣の増した飴色の壁に、当時から使われていた(と思われる)ピアノやシャンデリアが相まって、独特の色気のある空間になっています。

リサイタルや数日限定カフェなどなど。イベントスペースとして使われると本当にいい場所です。

こんなことしたい!という方は是非ベラミさんにご一報を!

こちらは、寮の個室として使われていた部屋。


現在は、2部屋が古着屋さんと革工房さんとして使われているそうですが、まだまだ手付かずの部屋がたくさん残っているということで、利用希望者募集中です。

こちらはその各室をつなぐ廊下。

まずはどこから  と言われれば、廊下やトイレのような共用部を明るい雰囲気にするだけで、全体の印象がグッと良くなるかと。

薄暗いですが、なんとも味のある台所。

ポテンシャルは高いので、明るい色の壁にしたり、おしゃれなペンダント照明を下げたりするだけで絵になりそうです。

広い食堂スペースと繋がっていて、飲食店として生まれ変わったら最高ですね。

ということで、手のつけどころが満載ですが、まずはいったいいくらかかるのか見積もりから。

現代に蘇ったベラミ山荘が見られる日が来るのが楽しみです!

(アメリカンアンティーク ローリンさん)

Life&Work(ライフアンドワーク)

http://www.uni-uni.net

work-本当に欲しい家ってなんだろうの話

あけましておめでとうございます。

2年連続初詣で大吉を引いた石川です

本年もよろしくお願い致します。

去年から進んでいる新築も、打ち合わせを重ねて少しづつですが前進しております。

以前読んだ、

佐藤可士和の超整理術

というアートディレクターの著者の本の中に、

大切なのは相手の思いを整理すること

という見出しで企業のブランディングについて書かれている内容がありました。

私なりに要約すると、

クライアントの抱えるたくさんの理想や思いを客観的に整理してそのブランドの本質を見極め、本当に必要なものはなんなのかを提案することがデザイナーの役目であるというようなことだったと思います。

これは、建築の設計ととてもよく似ているなぁとその時思ったことを、今回改めて思い出しました。

というのも、最初にお施主さんから頂いた

こんな家が欲しい

というイメージは、よくよく打ち合わせを重ねていくと、お施主さんの生活には適していないことがわかってきたのです。

理想と現実のギャップというやつですね。

じゃあ、

欲しいと思っていた家でどんなことがしたいのか

という思いを一緒に整理していった結果

私たちが提案したものは、当初のイメージとは随分違っていましたが、とても気に入っていただけました。

自分の家は3回くらい建ててやっと満足するものができるとはよく聞きますが、普通は人生の中で3回もそんなチャンスありませんよね。

だからこそ、1回目でも満足のいく家を建てるために私たち設計士の仕事があるのだと思います。

お施主さんの思いだけでは出てこなかった、私たちの想像だけでは行き着かなかった、

それとこれとが合わさって、すごくいいものができるのが、最高の形だと思います。

石川

Life&Work(ライフアンドワーク)

http://www.uni-uni.net

Work – イタリアンバル 改装工事3~竣工写真「GreenRoom」~

こんにちは、石川です。

先日、竣工物件の写真撮影に行ってまいりましたので、ご紹介いたします。

イタリアンバーのGreenRoomさんです。

DSC09420.jpg

DSC09408.JPG

 

DSC09457.JPG

DSC09462.JPG

DSC09567 (2).jpg

DSC09575.JPG

DSC09603.JPG

でした。

 

Life&Work(ライフアンドワーク)

http://www.uni-uni.net

Work – 雑貨店改装工事2~竣工写真「Hug A Tree」~

こんにちは、石川です。

竣工写真第二弾です。

こちらは、いつも月1ヨガ教室を私たちの事務所でやってくれている先生のスタジオ兼雑貨店Hug A Treeさんの雑貨店をやらせてもらった写真です。

1.jpg

2 (2).jpg

DSC09361.JPG

DSC09371.JPG

DSC09386.JPG

 

Life&Work(ライフアンドワーク)

http://www.uni-uni.net

Work – 敷地選びのご相談2

こんにちは。

Life&Workです!

今回は前回に引き続き、敷地選びについてです。

3つ目に見に行った敷地がこちら


不動産業者が整地して売り出している敷地なので、きちんと整備されれいます。

奥の崖には、すでに擁壁が作られているし、土地も平。

更に交通の便も良いので、やはりお値段はお高めという物件。

お施主さんは、お仕事の関係上ここの立地が一番良いとのことでした。

ということで、この敷地の利点と欠点を洗い出し、検討してみることに。

利点

1.交通の便が良い

2.整地されているので、建物の工事の時に余計な費用がかからない

3.希望の校区である

4.敷地の形状が変わっていて、面白い建物が建てられそう

欠点

1.あまり高くはないけど、崖に面していて、災害が心配

2.擁壁側の通風が悪いのでは

3.価格が高い

なかなか全ての条件が良い土地を探すのは難しいですよね。

最終的には、利点と欠点を天秤にかけてお施主さんが判断することになりますが、私たちの役目は、1つ1つ欠点(お施主さんの心配事)をクリアにしていくことです。

一つ目の災害に対しての心配ですが、私たちはまず、作られた擁壁が、ちゃんと規定の強度をクリアしているものなのかを不動産業者に確認。

きちんと、市の認可も下りていることが分かったので、強度的には問題なさそうでした。


次に、敷地の場所が、特別警戒区域に指定されていないかをチェック。

これは、簡単にいうと、崖崩れなどの心配がある場所を行政が指定しているもので、役所に行ったり役所のHPなどで誰でも確認できます。

不動産業者に聞いても確認できます。

これについても、指定地域ではなかったので、ひとまず安心。
ということで、

・崖がそんなに高くないこと

・強度の取れた擁壁が建てられていること

・特別警戒区域に指定されていないこと

などから、特別危険な場所ではなさそうということに。

自然災害のことなので、正直誰にも保証のできないことですが、こういう客観的な資料があって判断するのとそうでないのとでは、お施主さんの気持ちも全然違いますよね。

あとは、お施主さんのお父様が心配されていた、通風のこと。

擁壁がある東側に風が通らないのでは?とのことでした。

うーん、これは確かに四方が平坦な土地に比べればそうですね。

とはいえ、3方が開けているわけですから、東にだけ少し注意を払えばよいわけです。

例えば、南北に風を抜くようにするとか、東の擁壁から建物を十分離すとか。

私たちの設計には、規格や定型があるわけではないので、敷地の欠点を建築でカバーできることもたくさんあります。

逆にその敷地欠点が面白い建築のアイディアになったりするわけです。

面白い建物が建てられそう

と利点の中で書きましたが、この敷地を見ていると、お施主さんとどんどん面白い会話が溢れていきます。

結局それが決め手になり、お施主さんもここにがいい!ということに。

後に残った価格に関しては、不動産屋さんの営業さんに値引き交渉を託しました!

さてさて、無事に交渉成立なるか。

敷地が決まればいよいよ設計の始まりです。
Life&Work(ライフアンドワーク)

http://www.uni-uni.net

Work – 敷地選びのご相談

こんにちは!Life&Workの石川です。
すっかり秋になってきました。
この野菜、なんだか知っていますか?
私は初めて見たのですが、四角豆というそうです。
仕事の打ち合わせで、下関の敷地を見に行く機会がありまして、そこでいただきました。
まだ食べていませんが、どんな味がするのか楽しみです。
さて、今日は珍しく、設計事務所らしい建築の話しをしたいと思います。

先日、住宅の相談がありまして、下関に行ってきました。

山口県って北九州からだとすごく近いんですが、なかなか行くことがないんですよねぇ。
それはさて置き、まだ敷地が決定していないということで、いくつか候補の敷地を見て回ることに。

お施主さんは、いくつも敷地を見に付き合わせるのは申し訳ないと思われていたようなのですが、そんなことはノープロブレムです。

むしろ、見たい!

敷地選びは難しいですよね。迷いますよね。
そんな時は、そう、設計者に相談です!
敷地って、ものすごくいろんな要素が絡み合っているので、交通の便がいい!値段が安い!なんかで決めて、あとで後悔するのは恐ろしいですよ。

そう、敷地選びには、住む側の目線、設計者側の目線が大事なのです。
私たちが最初に見に行った敷地はこれ


最寄りの駅から少し離れていますが、値段が安い。
しかし、やっぱり気になるのは、背後の崖。(写真の右手)

見るからに、土砂崩れの心配があるのですが、建物を建てること自体にとってもかなり不利になるのです。

崖に対して設計者が取らなければならない対処法の選択肢は、ザックリと上げて3つ。

⒈崖を壁で固める
⒉建物の崖に面する壁を強く作る
⒊建物を崖から結構離す

普通に考えても納得の選択肢ですよね。

建物を建築する時に行政に出す申請では、どのくらいの強度が必要か、どのくらいの離さないといけないかがちゃんと決まっています。

だから、1と2では普通に比べて工事費が上がってしまうし、3では、広い敷地でないと建物が建たないということになってしまうかもしれないのです。

続いて見に行ったのがこちら

こちらも傾斜地のそばの敷地ですが、1つ目に比べるとだいぶ離れたところに傾斜があるので、危険はなさそう。逆に豊かな緑が借景になり、とてもいい感じです。

なのですが、今度は、この反対側が高速道路というのが気になります。

騒音の具合はどうかな、ということで、こういう時は誰に聞くのがいちばんいいかと言えば、そう

ご近所さんですよね。

早速、お施主さんと一緒にお隣さんを訪ねてみることに。

お隣さんいわく、高速道路側は遮音窓にしているので音は気にならないとのこと。

ついでに、土地の地盤の状態も聞いてみると、そちらの方もそれほど問題なさそう。

土地を買う時に大事なことの一つに、地盤の状態があります。

しかし、これがなかなか土地を購入するまで分からないのです。

建物を建てる前には必ず地盤を調査する必要があります。

これで、悪い結果が出てしまった日には、またまたお金がかかることに。

正確なものでなくても、ご近所さんからの情報を集めておくのはとても心強いです。
続く

Life&Work(ライフアンドワーク)

http://www.uni-uni.net